IDecoは確定拠出年金でかなり知られていますが、以前からある個人年金保険のメリットについてはっきりは知っている方は少ないのではないでしょうか。そもそも個人年金保険は何かご存じでしょうか。
個人年金保険とは
名前の通り国民年金保険とは別途、個人で老後資金のために年金を積み立てる保険(=預金)です。つまりは民間の年金保険に入ることになります。
保険と名前がついていますので生命保険や介護保険と兼ね備える保険もありますが、今回は純粋に年金と税控除を主体とする話題とさせていただきます。
老後、定年後に一括、もしくは毎月一律で積み立て分の資金の払い戻ししてくれるメリット以外に貯金とは何ら変わらない様に見えますが、生命保険料控除対象の扱いとなることにメリットがあります。
保険の控除対象
ここから少しややこしくなりますが、まずご存じ通りサラリーマンでは年末に近づくと年末調整で各種控除の申請をされているかと思います。主に扶養控除と各種保険の控除です。その一部に生命保険控除をされている方も多いかと思います。
年末調整の保険の控除対象
- 生命保険料控除 ←一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険
- 社会保険料控除 ←国民年金、厚生年金、健康保険、介護保険
- 地震保険控除
- 小規模企業共済等掛金控除 ←IDeco
個人年金保険は生命保険控除の対象です。iDeco確定拠出年金とは別になります。
さらに生命保険は新制度では介護医療保険が加わり旧制度に分類することになります。
旧制度 | 新制度 |
・一般生命保険 ・個人年金保険 | ・一般生命保険 ・個人年金保険 ・介護医療保険 |
新しく加入したことで必ずしも「新制度」とは限りません。契約時での新旧の確認、または
「生命保険控除証明書」で記載されているので確認できます。
前述したように個人年金保険は税控除の対象です。ここからが重要ですが、税控除限度額をよく確認しておきましょう。
控除限度額
旧制度 | 新制度 | |
控除限度額合計 | 所得税10万円 住民税7万円 | 所得税12万円 住民税7万円 |
一般生命保険 | 所得税5万円 住民税3.5万円 | 所得税4万円 住民税2.8万円 |
個人年金保険 | 所得税5万円 住民税3.5万円 | 所得税4万円 住民税2.8万円 |
介護医療保険 | 所得税4万円 住民税2.8万円 |
生命保険の分類で上記のように各種限度額が設定されています。一般生命保険については後ほど述べます。
個人年金保険は控除限度額は年間で旧制度で合計8.5万円、新制度で6.8万円となります。
では旧制度で年間支払額が8.5万円とすれば全て控除対象かというとそうではありません。(これがまたややこしい)
旧制度による限度額割合
年間支払額 | 所得税 | 住民税 |
2.5万円以下 | 全額控除 | 全額控除 |
2.5~5万円以下 | 支払い×1/2+1.25万円 | 支払い×1/2+0.75万円 |
5~10万円以下 | 支払い×1/4+1.25万円 | 支払い×1/4+1.75万円 |
10万円超 | 5万円 | 3.5万円 |
支払額によって微妙な控除限度額がありますが、積極的な年金確保を検討している方であれば年間10万円超(新制度であれば8万円超)を目安に支払額を決めましょう。
(新制度の限度額については割愛させていただきますが、支払い8万円超が目安です。)
結論)リスクのない利回りがある積立投資
個人年金保険を毎年支払うことで、給料の所得から減額となります。つまりは減額分の金額(たとえば8~10万円)の所得に対しての税金分が返ってくることになりますので支払額に対して利回りがつくようなものです。
個人年金保険は基本的には円預金と同じですのでリスクのない投資になりえます。(外貨建てを除く…)
つまり最大のメリットはリスクが極めて低く、利回りのリターンが狙える投資となり得るのです。
所得によって税率は異なりますが、大体は利回り数%程度になるのではないでしょうか。
一般生命保険の種類
一般生命保険の種類は多々あります。
定期保険、終身保険、養老保険、学資保険、医療保険、がん保険、介護保険、変額保険…
保険によって控除対象かどうか、一概に分かりにくいです。例えば全労災の共済も生命保険控除対象となりますが、労働組合での保険ではならない場合もあるので保険契約時生命保険控除対象かしっかり確認しましょう。
上述に掲載した通り、生命保険控除は一般生命保険、個人年金保険と合算しての控除額になります。生命保険は特に必要ないと感じられるのであれば、個人年金保険を掛けるのがベストでしょう。
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