日経は上昇続けるか?

話題持ちきりですが、ついに日経はバブル後最高値を更新しました。オワコン化とも言われた日本株ですが、なぜこれほどまで上昇したのでしょうか?

日経と米国との比較

日経と米国株との推移をあらためてみてみましょう。

グラフから傾向を見てみると双方似たような推移をしていますので、日経は全く上がらないという論調は極端なことが分かります。ただし、いくつか特徴的な傾向も見えます。

  • 日経はリーマンショックからの立ち直りが4~5年低迷している
  • 2018年以降の米国のGAFAM全盛に追いつけない

どちらかというと米国のパフォーマンスが高いわけで日経はそれよりかは劣るということです。特に米国が上昇している期間で日経はもたつく期間があるので「オワコン」と決めつけられてしまうのかもしれません。

出来高と海外勢

しかしながら日経市場が冴えないと指摘されるところは「出来高」とも言われます。

上記のグラフからわかるようにグラフ下部の棒グラフ・出来高推移は近年減少傾向で、代わって米国株が上昇しているのがわかります。

株式市場の上昇局面で日経に資金が流れてこないことでパフォーマンスが出ない状況の原因が大きいとも言えます。

出来高が減っているのは、いうまでもなく海外からの投資が入ってこないことが原因です。

nikkei225.jpより

上記は海外からの売買の状況ですが、どちらかというと売り越す状況が続いています。直近の4月から急激に入ったのが昨今の日経上昇の要因の一つとも言えます。

上昇要因の洗い出し

そもそも日経に買いが入ったのは何故でしょうか?

日経は今までレンジ相場でしたが、上昇が入ったのは4月からです。主な要因は以下ではないでしょうか?

  • 増配、自社株買いと株主への還元発表が多かった
  • 円安
  • コロナ後の回復期待

4月から22年度の決算が相次ぎ発表された中で、増配、自社株買いを発表する企業が相次ぎました。これは大きくは東証のPBR改善要請に沿ったものとも受け止められています。

PBR改善はつまりは株価の上昇、配当を増やすこと、自社株買いで株式本数を消去し株価を上げることです。これは海外勢には好感されたことは間違いないでしょう。

要因のもう一つに円安があるかと思います。今回の決算では円安による最高益が数多くの企業で発表されました。同時に23年度は景気後退懸念で収益見通しを下げている企業も多いのですが、昨今の円安、ドルが以前インフレで高い状況を鑑みるとまだまだ円安による恩恵はあり得ると判断しているかとも思えます。

最後にコロナ後の景気回復です。マスクを外すのがどの国よりも遅かったことよりわかる様に、日本はコロナ後からまだ景気回復が遅れています。今後、旅行、鉄道やサービスで消費が活発になると期待されています。

今後は

上記3つの要因はしばらく続くと思いますので、おおむね上昇傾向は変わらず、高い配当のおかげで激しい下落は難しいと思います。

ただし、序盤に述べた通り出来高がまだ本格的に入ってこない状況、米国のインフレ、中国の景気減速等々、ネガティブな状況もまだまだ続いています。

しかしながら、日経は魅力的な市場になってきました。投資妙味は十分にあると思います。

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