債券投資はチャンス

現在(2022年)米国では米国政策金利上昇を受けて債券の利回りが大幅上昇しています。米国では債券の利回りが高配当の株と変わらない状況です。元本が償還される債券はとても魅力的です。しかしながら、実は債券は売られて値下がりしています。どういうことでしょうか?

債券が値下がりしていると、株価の様に割安ということです。今回は、今後値上がり機会がやってきて投資妙味があるというお話です。

債券価格と利回りについて

債券の価格は利回りで上下します。利回りが高くなれば債券の価格は下がり、利回りが下がれば債券価格は上がります。ちょっと変だな?と受け取ってしまいますが、債券が売られる→基準価格が下がり利回りが高くなると認識すると分かりやすいです。

短期債は現行の政策金利の利回りに近い値になりますが、長期債は現行の利回りからギャップがある債券になるので現行の利回りと相対して売買され、価格が変動するのです。

上記図は10年金利の利回り(赤)と長期債のETF(バンガード・米国長期債券ETF)(青)価格の変動ですが、みごとに金利と逆相関しています。近日の状況をみたらお分かりですが、異常に金利が上がっており債券価格が下落、暴落してる様子がうかがえます。

バンガード・米国長期債券ETF(テッカー・BLV)の内容は主に10年以上の米国政府の債券でまとめられています。詳細をみると15年の期間2%程度の利回りであることがわかります。

しかしながら、昨今の政策金利上昇を受けてこのような2%台の債券は売られている状況です。結果として債券価格は下がり、こちらのETFは現在利回り4%程度になっています。

逆を考えると政策金利の利上げが終わり、利下げに転じると現行の利回りの高い債券に魅力が出てきます。すると債券価格が上昇へ転じるのです。株価の上下は業績評価が主となりますが、債券は特に米国のような安全な債券は利回りで主に変動するのです。

景気後退とその後のチャンス

政策金利を上げ続け、債券が下落していくとやがて短期債と長期債の利回りのギャップが無くなってきます。

債券長短金利差 IRBANKより

今は3ヶ月債券と10年債と長短金利差が近付き利回りが同列になりつつあります。
この状況は過去のデータからも景気後退のシグナルと捉えられてきましたが、今、正に起きてるのです。
今後、この状況が長く続くようであれば景気後退は確実視され、金利引上げを終えるサインとなります。
金利上昇が終わることは、即ち今まで利回り上昇で売られてきた高バリエーションの成長株などは株高に転じることが期待できます。
結果、市場は不景気入りしますが株価は景気後退での景気刺激策を期待し1,2年先を見越した株を買っていく動きとなるのです。

今はまだ米国の中央銀行は金利を引き上げている状態です。
金利引き上げの鈍化が見られると上記の状況に今後進むことが期待され、徐々に株価が買われ出す見込みです。

今月11月FOMC(米国市場の政策委員会)では利上げを0.75ポイントの予定ですが、翌月以降の利上げペースの見通しに議論が集中するはずです。利上げ鈍化のハト的発言があれば株価は上昇へ、景気引締めを継続のタカ派発言であれば下落となりえます。
また来年利上げをどこまで上限とするかも最大の関心ごととなるでしょう。

混迷した市場からついに一定の方向性が出るか、とても関心が高い発表となるでしょう。

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